今年もあとわずかになりました。一年の経つのが、非常に早く感じますのは私だけではないでしょう。今ごろになりますと、子どものころは指折りお正月を待ったものです。今は、これもしなければ、あれもしなければと、もう少し日にちが欲しく思われます。子どものころの一日と、今の一日と24四時間は同じであるのですが、忙しく過ごすので一日がすぐ終わってしますのでしょう。
さて、今年一年のできごとは、朝日新聞の「天声人語」によると、リオ五輪のメタルラッシュ。オバマ米大統領が広島を訪問。金融政策の未体験ゾーンへ突入。北海道新幹線でにぎわう函館。ポケモン目当て、大人も子どももスマホ片手に「街獣一色(がいじゅういっしょく)」。運転中の操作による悲惨な事故も忘れがたい。東京都知事選では小池百合子氏が圧勝。築地新市場や五輪からあふれだした「新都多難(しんとたなん)」。25年ぶりのセ・リーグ制覇。広島東洋カープは他を寄せ付けず「神鯉万勝(しんりばんしょう)」。イチローは大リーグで「燦然安打(さんぜんあんだ)」の後も進化をやめず。「五人騒散(ごにんそうさん)」のSMAPは本当にこのまま解散してしまうのか。まさかのトランプ氏当選。かの国を真っ二つに引き裂く米大統領選は「暴語米断(ぼうごべいだん)」の様相を呈したとあります。
お寺が、直接関わるでき事としては、ポケモンGOでしょう。ある日突然、自転車に乗った高校生が何人も境内に来るようになりました。どうもお寺が、「ポケストップ」といって、ポケモンや様々なアイテムを補給できる拠点になっているようです。したがって、若い人たちの来寺となったわけです。お寺や神社などに、ポケモンが現れることが多い設定となっているようです。三嶋大社は無論のこと、三島市街地の寺院はおおかた対象とのことのようです。副住職が床についたところ、ポケモンが出現し、布団のなかでのゲットは本来の趣旨に反することのようにも思えます。
多くの神社寺院は、信仰とは関係なく多くの人たちが境内に出入りすることに不快感を露わにして、関係者に自粛を求めました。
それに対して真逆の反応を示しました寺院もありました。本来の宗教活動でないことは承知しているのですが、著しく危害を与えるわけでなければ、歓迎しようという立場です。ポケモンGOをすると電池の消耗が激しいところから、積極的に電源を提供し、時には僧侶と若い人との対話が生まれたという話もあります。節度がある限り、私も目くじらを立てることはないように思います。時には「良いポケモンゲットできた?」と声をかけます。
近隣には公衆トイレがないため、いろいろな人たちが檀信徒用トイレを利用するために、境内に入ってきます。郵便屋さんをはじめ配達に携わる人たちには、積極的に利用をすすめております。
お檀家さんは、自分のお寺であり、自分のお墓があるところですから大切にしてくれるのですが、一部心ない人はお墓の縁石に座って休憩をとる人がいることが困りものです。すると…………。
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【天声人語】朝日新聞、平成27年12月18日
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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