NHK「あさイチ」でこんにゃくが取りあげられた。
「食物繊維が豊富で、ダイエットにはうってつけの食材。
しかも安いので毎日の食卓に使いたいものですが、料理は
おでんや煮物などに限られます。そこで、こんにゃくの健康
パワーに迫りながら、炒め物や揚げ物にも使える調理法」
そうしたなかで、特に「氷こんにゃく」が紹介されている。
「氷こんにゃく」の作り方は
(1)料理に合わせてこんにゃくを切る。
(2)保存容器などに入れて冷凍庫で凍らせる。
(3)使うときに熱湯で解凍する。
(4)キッチンペーパーなどで水けをしっかりと絞る。
じつは、我が家ばかりでなく、寺の人寄せにも時々利用させていただいている。酒の肴にトリの唐揚げを作ったが、いまいちボリューム感に欠けたので氷こんにゃくの登場となった。トリと同じ形状に千切り凍らせてあったこんにゃくを解凍し、唐揚げ粉をまぶして油へ。できあがった唐揚げはトリとこんにゃく、ほとんど見分けがつかない。
初めて食した人は、こんにゃくに気がつくのに多少の時間を有するようである。感動どころか、「なんだ、こんにゃくか」と、お金を払って食べているのではないので、「だまされた」の一言はないが、明らかに失望感たっぷりである。次の箸からは、トリ肉を探す仕草が見て取れるようである。「ダイエット、ダイエット!」と声をかけると、こんにゃくとトリ肉を交互に食べ楽しんでいる。
ところでわたしもダイエットに挑戦して、18ヶ月で12kg痩せた。現在63kgで、ちょうどよいと思い、これ以上は痩せるつもりはない。週2.5回の東京での大学勤務、週1回の文学講座、そして何よりも寺の法務、副住職がいるといえども日常の法務はわたしが主体であり、同年配の住職と比較すると相当に激務のように思われる。これ以上体重が落ちてしまうと体力がなくなり、日常の活動に支障が出そうな気がするからである。体重の維持に、時には晩酌の後の和菓子を楽しむほどである。
周りの人たちからは、「具合が悪いのか」と訪ねられることがある。どうも病気で激痩せをしたかのように思われているようである。「ダイエット、ダイエット!」というと、つぎに「どんなダイエット」をしたのかと訪ねてくる。ただ食事量を減らしただけであるが、「ふしだらな生活」というと、それ以上は問わない。きっと病気を隠しているかのように思われているようである。
あまりにも激痩せを問われると、「やはりどこか悪いのではなかろうか」と疑心暗鬼が生じてくる。幸いにも年1度の健康診断の時期でもあり、無事を確認することができた。
こんにゃくは好きな食べ物である。学生のころ、山形県の山寺の参道で食した「玉こんにゃく」は、よき思い出である。普茶料理などでも、主役である。こんにゃくの主体を愛でたいものである。
蛇足であるが、ウエストが10cm以上細くなったので、ズボンを買い換えた。リバウンドは考えていないので、L版の着る物は破棄したことを報告させていただく。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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