今年も恒例となりました、大本山増上寺初詣と国立演芸場観劇の日帰りツアーを、おこないました。多数の皆さんの参加によりまして、厳粛な増上寺さん参拝と初笑い観劇を堪能させていただきました。
この数年来、定番となりました行事ではありますが、参加していただきます方は、正直申しまして、なかなか集まりませんのが現実でございます。お陰さまでバス1台での参加者での旅となりましたが、その大方はお寺からの呼びかけと毎年参加して下さるリピーターの皆さんです。
1,000枚近いご案内のパンフレットを暮れから配布するのですが、それでご参加いただける人は数人でございます。したがいまして、リピーターの皆さんにお声かけをさせていただきます。
ご本山のお参りは、1度行けば良いのではないのです。お参りをさせていただき1年間の無事を感謝御礼いたし、また新たな1年の無事をお願いすることですと、説明いたすのです。ご自身やご家族に不安がありますと、ご本山参りとはいかなくなってしまいます。毎年お参りできますことが、ご自身にとってもご家族に取りましても、大切だと思うからです。
住職もお寺の維持、自身の健康管理の無事があってこそ、初詣や初笑いが企画できるのです。まずもって、参加できますこと、企画できることの喜びを大切にしていきたいと思います。
そうした皆さんの初詣初笑いですので、和気あいあいとした団参となります。国立演芸場では65才以上の人は割引があり、住職をはじめほとんどの人が対象となります。ありがたいことです。
毎年増上寺さんに初詣させていただいているのですが、皆さんにあれもこれも参拝していただこうと、住職に欲が出てしまいます。結果的には駆け足の参拝となってしまうのですが、今年は一般の人が入ることのない修行道場での参拝となりました。今までこちらでのお参りしたことのあるのは、住職と副住職のみでありました。
ご本堂の3階にあるとのことで、皆さんはエレベーターにて向かったのですが、住職をはじめ元気のあるものは階段で上り始めました。到着していやにきついと思って聞きますと、一般のビルでいえば6階にあたるとのこと、心地良い疲労感と、改めて大殿の大きさに感動した次第です。
そこにお祀りされている阿弥陀さまは、説法印を結ばれていることをご案内いただき、私どもに語り始めようとされる阿弥陀さまのお姿に改めての感動をいただきました。だいぶ昔になりますが、住職も副住職も僧侶になるため修行していたところがここになるわけで、毎日拝していたご本尊に他ならないからです。
国立演芸場では、落語、漫才、曲芸につづき、今年は大喜利で落語家によるお芝居(鹿芝居という)で「子別れ」を楽しむ。子は鎹(かすがい)がテーマです。失礼ですが、落語家のどたばた劇であることが楽しいのです。笑いが止まらないのです。毎年の観劇であるので、楽屋にどら焼きの差し入れをします。すると、お芝居のなかで、「三島願成寺のどら焼きは美味いな」と言ってくれるのです。観劇する我々には何よりの嬉しさです。少し生意気であるが、ご贔屓筋(ごひいきすじ)になった気がいたします。
今年を元気に過ごし、来年も皆で、大本山増上寺の初詣と国立演芸場での初笑いに出かけたいと思う住職でした。
【和気靄靄・和気藹藹】わき‐あいあい
なごやかな気分の満ち満ちているさま。
【大切】おお‐ぎり
(1)(─する)物を大きく切りわけること。 大きく切るもの。また、その切り身。
(2)江戸の歌舞伎で、二番目狂言(世話物)の最後の幕。
(3)(「大喜利」とも書く)演劇で、その日の興行の最後の 一幕。
(4)物事の最後。おわり。
【子は鎹】(こはかすがい)
子に対する愛情によって、夫婦の間が保たれ、夫婦の 縁がつなぎとめられるものである。子は夫婦の鎹。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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