第2回目〜前回まで旅の投稿を続けてきましたが、今回は旅のまとめとして、私が旅で気付き、学んだことのなかで、みなさまにお伝えしたいことを書きたいと思います。
1つ目、『誇りの持てる国、日本』
旅の途中、ある国で短いツアーに参加しました。様々な国のメンバーでしたが、そのうちの70歳くらいのフィンランド人夫婦と話していると、彼らは人生で約150ヶ国の国を訪れたそうです。現在の世界の国の数は、一般的には193ヶ国(国連加盟国)ですので、150ヶ国はものすごい数です。彼らと話し、私が日本から来たよと伝えると、「おぉ!日本からか!日本は本当にグレートな国だよ!だって考えみてくれ、時速300kmで走る新幹線が1秒の狂いもなく時間通りに来るなんてクレージーだし、とても感動したよ!そんな国は日本だけだった。」と興奮気味に語ってくれました。私より遥かにたくさんの国を訪れた人がそう言ってくれてとても嬉しかったのと同時に、以前にNHKのプロジェクトXという番組で、新幹線を設計された方は戦時中特攻機の設計をされていて、戦後多くの若者を死に追いやってしまったという自責の念からなんとか自分の技術を平和的に利用できないか、そして世界に誇れる日本の再建に貢献したいという思いで新幹線を創られたという内容を思い出して、思わず胸がジーンと熱くなりました。
その他にも、様々な国でたくさんの人が、私に日本の素晴らしさを教えてくれました。
自動車、電化製品、日用品などのMade in Japanの製品の素晴らしさ、以前の投稿でもお伝えしましたが、ODAをはじめとする日本からの多岐に渡る援助、日本食の素晴らしさ、日本を訪れたときの日本人の親切さ、ホスピタリティ・・・世界から見て、日本は本当に素晴らしい点がたくさんある国で、旅に出てから、日本人であることにより誇りを持てるようになりました。もちろん、逆に世界から見て改善していくべき点もありますが、本当に多くの面で、日本という国は堂々と世界に誇ることのできる国です。
2つ目、『当たり前のありがたみ』
私のようなバックパッカーの間ではよくある話なのですが、安い宿に泊まると、お湯のシャワーが出ないことがよくあります。もしくはお湯が出ても、何時から何時までしかお湯が使えません、と時間が決まっていたり、うちはお湯のシャワー出るよ!と言われて泊まってみると実際は水シャワーやったり、、、まぁそんなことでもめてもきりがないので別に腹も立たなくなり、寒くても水シャワーを受け入れられるようになります。ある意味、一つの悟りの境地です(笑)。日本でどんなに安い宿に泊まってもボイラー等の故障でない限り、お湯のシャワーは出ます。もちろんほとんどの家庭でもそうですよね。
今までの当たり前が当たり前でなくなったときに、当たり前にあることのありがたみに気付き、深く感謝できます。理想的には、当たり前が当たり前でなくなったときに気付くのではなく、日常からそのありがたみを感じ、感謝できることだと思います。実践はなかなか難しいですが、日々心がけていきたいものです。
3つ目、『地球の中の人間、世界の中の日本』
旅をして、様々な地球の絶景を見て、大地に触れ、歩き、音を聞き、人と出会い、食べて、地球を感じて生きました。「世界」という言葉からは国々を連想しますが、その世界は「地球」という星、そして宇宙から成り立っています。
自分(人間)→日本→世界(地球)→宇宙という感じですね。
地球は太陽系の内の一つの惑星、太陽系は天の川銀河という銀河系の一部、天の川銀河は無数にある銀河系の一部・・・と考えると果てしなく続きます。そんな果てのない宇宙の中で創られた、命の溢れる地球。その奇跡を感じながら大自然を目の前にすると、言葉で言い表せない不思議な感覚になります。人間である自分が、宇宙の一部であることを感じられ、ものすごく小さな存在に思えます。また同時にどこかで宇宙とのつながりも感じ取ることが出来ます。文明の発展によって、あたかも人間が地球をコントロールしているかのように思ってしまいますが、人間は地球の一部なのです。それを忘れずに、奢ることなく、自然を、地球を、宇宙を敬い、謙虚に生きていきたいと思います。
この旅を振り返ると、旅に行くまでの過程を含め、旅に行く前と比べ自分自身多くの面で成長できました。
言葉や文化など全てが初めての地で、今日はどこへ行き、何をして、どう生きるかということを毎日毎日、自分自身で考え決断し、実際に行動する。良くも悪くもその結果はすぐに全て自分に返ってきます。
親切だった人に睡眠薬を盛られて盗難に遭い、ショックで人間不信に陥ったり、体調を崩してしんどいけれども言葉がうまく通じず余計にしんどくなったり、アジア人差別でひどいことを言われたり、腹が立ったり、悔しかったり、大変な思いをしたことは数えきれません。
しかしそれと同じくらい、素晴らしい出会いがあったり、絶景を前に身震いするほど感動したり、人生ってほんまにおもしろい、最高やなと思う場面も本当にたくさんありました。毎日が新鮮で、私の半年間の旅には人生の様々な要素が凝縮されていたと思います。
今回みなさまにお伝えした私の学びは一部ではありますが、私が旅で得た大切な学びです。この学びを今後の人生に活かしていきたいと思います。
海外に出ると日本という国を客観的に見ることができ、様々な気付きと学びがあります。ぜひみなさまも、日本という国を再発見するために、海外へ行かれてみてはいかがでしょう。新しい自分の発見もきっとありますよ。
三寳寺 田 畑 智 英
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