願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、1月15日です。





お飾り(総代吉田秀夫氏作製)


福亀(総代吉田秀夫氏作製)

 新年明けましておめでとうございます

 元旦の一日と、大晦日の一日と、そう対して変わるわけではないのですが、新年という区切りを付けられたことは、大層素晴らしいことと思います。
 昨年よかった人は今年もと思い、芳しくなかったことはリセットしての出発。お正月を大切にしたいですね。

 ところで、お正月も私が子どもの頃と、大きく変わってしまったように思います。60年も昔のことですから仕方ありませんが。
 その頃は、12月になると家族総出で沢庵漬けが始まる。我が家では四斗樽ふたつ、ひとつの樽は塩を効かせて、夏まで食べられるようにする。ろくに副菜(おかず)のない時代であったので、大切な仕事であった。
 時を同じくして、お檀家さんたちによる薪割りがある。材料となる大きな木を運ぶ人、木を切る人、それを割る人と、それはにぎやかである。
 6坪ほどの物置に、半分ほど積みあげられる。その隣に4斗樽が鎮座しているのである。

 また暮れの日曜日になると、各家で大掃除が始まる。女性は手ぬぐいを姉さんかぶりして白い割烹着姿、男たちは手ぬぐいをマスク代わりにして、畳を外に運び棒で叩いてホコリを落とす。子どもは畳の下に敷いてあった新聞を取り替えるのである。あちらこちらの家から畳を叩く音が聞こえてくると、お正月がすぐそこまで来ていることを感じる。

 大晦日まぎわになると、お金を渡され床屋に行かされる。どこの床屋も子どもたちで混んでおり、長い時間待たされた記憶は現在でも鮮明である。後に知ったことではあるが、この当時の床屋は、大晦日など12時過ぎまで営業していたという。
 大晦日風呂に入るとき、親から新しいパンツとシャツが渡され、枕元には元旦に着るべき洋服が置かれていた。心身ともに新しい歳を迎えるのである。

 お雑煮を食べ、お年玉を貰う。そのお年玉を握りしめて、おもちゃ屋に飛んでいく。帰りに三嶋大社の境内の出店で買い食いをするのが、年に1度の子どもなりの儀式ともいえる。決して多くないお年玉をどう使うかは、真剣に考えていたようであるが、少しでも後々のために残しておこうという考えは全くなかった。明日の買い食いだけは、残したようである。
 大人たちは、お屠蘇といって、朝から延々と続く祝宴であった。ある旧家のお婆さんが、「わたしは、お正月がいやでね」と語っていたのを思い出す。正月中、親戚や年賀の人たちの酒盛りのお世話ばかりであったという。

 テレビのない時代であったから、大人たちは百人一首に興じていた。ひらがなは読めても1枚も獲れない。ときに我々のために、「坊主めくり」をしてくれた。坊主が出てくるたびに、すべての絵札が没収され、次にお姫さまが出た人がその絵札を貰えた。蝉丸が坊主であるか、問題になったことが、印象に残っている。
 小学校高学年の頃であろうか。お寺であるので、坊主を悪者にする遊びに抵抗を感じ、少し違和感を持った。そこで「坊主めくり」ではなく、「お姫さまめくり」を提案した。坊主がでたら絵札が貰えるのである。実際やってみると、あまり面白いものではなかった。やはり悪役は坊主が似合っていた。

 こんな昔のお正月に感慨を馳せながら、古稀を迎える。今年もお寺、メルマガをよろしくお願いいたします。
 蛇足となりますが、お屠蘇と称する宴会だけは大切にされております。

【蝉丸】せみまる
平安初期の歌人。伝説的人物で、宇多天皇の第八皇子敦実親王に仕えた雑色(ぞうしき)とも、醍醐天皇の第四皇子ともいう。盲目で琵琶に長じ、逢坂(おうさか)の関に庵を結び隠遁生活をしたと伝えられる。生没年不詳。(出典Japan Knowledge)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久









朝日テレビカルチャースクール三島(第3期)

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校(随時入学可、一回受講)
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
3ヶ月 全6回 ・・・ 14,256円   1回 ・・・ 下記へお問合せ下さい
申   込
TEL:055-971-4041

 

第393回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月18日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月15日(金) 同時刻  三明寺 大嶽 正泰 師

 

宗祇法師の会 (1月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
1月21日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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