皆さま、あけましておめでとうございます。年末年始は、いかがお過ごしでしたでしょうか?
私は、もちろん年末は、お寺の年越しの準備をしていました。臨済宗のお寺では、正月を迎えるにあたり、床の間へ臨済宗の初祖であります達磨大師の掛け軸を飾ります。
その達磨大師の右手にあたる部分に手杖(しゅじょう禅僧が持つ杖)と払子(ほっす)、右脇には直綴(じきとつ達磨大師が着るべき衣)、左脇には七条袈裟(達磨大師が身にまとうべき袈裟)に数珠と中啓(ちゅうけい扇子の少し大きいもの)を飾ります。
臨済宗のお寺では新年の挨拶に伺った場合、伺ったお寺のご住職に挨拶するより前に、まず達磨大師の掛け軸の前へと行き五体投地の礼拝をして、新年の挨拶をするのです。
また年末は、町内にあります川原ケ谷天神社へも、町内の役員として年始の支度に行ってまいりました。
川原ケ谷天神社は願成寺さんの裏手、東に200メートルほど行ったところにございます。すぐ横を東海道線が通っているため、音はやかましいですが、急な階段を上った先の南向きのお堂の目の前は、畑が広がっているため非常に見晴らしが良く、心地よい風を感じられる神社です。
年に一度の九月の天神社祭典は、少し離れた公民館前がメインのように行われてしまうのですが、三月には境内の中で戦没者の慰霊祭が行われて、二年に一度は私が法要をさせて頂いております。
年末に支度に行った際には、しめ縄飾りを新しく取り換え、掃除をして、元旦に行われる新年拝賀式の準備をしてきました。しかし、肝心の拝賀式当日は、自分のお寺での法要があるため参加できませんでした。
また、小正月の頃には、天神社の近くで『どんど焼き』が行われます。町内の方たちが正月飾りを持ち寄り、お焚き上げするわけですが、大人たちよりも子供たちが楽しみにしている行事であります。なぜならば、大人たちは正月飾りを燃やしに来ますが、子供たちはお団子やお餅を焼きに来るのですから。
どんど焼きでは、正月飾りと共に子供たちの書き初めも燃やして、その灰が高く上るほど字が上手になるといわれています。大人たちはその高さを見上げてばかりいますが、子供たちは灰の中に入れてあるお団子やお餅ばかり気になって、下しか見ていませんけどね。
しかし、年々、どんど焼きの参加者が減ってきています。参加者が少ないと焚き上げるお飾りの量が少なく、枝木ばかり燃やしてしまい、ただの焚火に感じてしまいます。また、何より盛り上がりに欠けます。準備をしてずっと見守っている町内役員が5,6名ほど、放水車と共にずっと警戒してくれている地域の消防団のメンバーが10名ほど、そんな中、子供を連れたお母さんやおじいさん、おばあさんが5,6人で来ては、お団子が焼けたら帰ってしまい、また次の家族が来るという感じで、見守っている人たちの方が常に多い状況です。
こうした行事も、いずれは限界がきて、行われなくなってしまうのかなと思うと、寂しい思いもしますが、私たちに諸行無常を教えてくれる大事な役割でもあるのかもしれません。
地福山宝鏡院住職
林 晴 雄
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