願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、8月1日です。





門に山門不幸の札


本堂を白い布で覆う


式場

 いよいよお盆がやってきましたね。三島の街中は7月盆が多いと思いますが、まだ梅雨時ですし、そんなに暑くないので、お盆らしさというのは少ないのではないでしょうか。その点、8月のお盆は暑さ全開、子供達も夏休みで実家のお爺さんお婆さんの家に遊びに来ていて、これぞ夏、これぞお盆、という感じがしますよね。

 私は、宝鏡院を祖父の後を継いで住職になりました。しかし、祖父は私が高校生の時には寝たきりになってしまい、また私が修行に行く前に遷化(*和尚が亡くなった事)されたので、その間、法類(*お寺間の親類のこと)のお寺の住職から色々な事をご指導いただき、また祖父亡き後の師匠になっていただきました。
 遷化というのは、化度(ケド)の場所を遷すという意味。つまり布教の場をうつすということ。和尚というのは死ぬのではなく、活動の場がうつるだけなのです。
 その法類のお寺のご住職が7月8日に遷化しました。その方には、私と年の近い2人の息子さんがいて、龍澤寺修行道場で私の1年後に修行に来て、私とは2年間同じ釜の飯を食べていました。その息子さんたちにとってみれば怖いところばかりの師匠だったようですが、私にとっては手取り足取り教えて下さった優しい師匠でした。
 葬儀は12日に密葬の形で執り行われました。津送(シンソウ*本葬儀のこと)は8月に行う予定です。僧侶の葬儀は密葬・津送の2回に分けて行うことが多いのですが、密葬は仮で行う葬儀で、津送は一ヶ月程掛けて準備をして大々的に行う式です。
 津送の津は港や船の渡し場を意味する文字で、活躍の場を遷す和尚の船出を見送るという意味です。
 臨済宗では、師匠が遷化すると、弟子は頭を剃ることもヒゲを剃ることも止め、修行中の格好に戻り、師匠を送ることに専念いたします。そして津送の後、引き続き行われる新忌斎(*在家でいう葬儀の忌明け)の間に頭を剃って、元の姿に戻るのです。
 通夜・密葬では近隣の同じ臨済宗建長寺派の寺院の方々が式を進めます。弟子は親族側で師匠を見送ります。しかし今回は、2人の息子さんは親族側に立ったのですが、私は臨済宗建長寺派のこのあたりの地域をまとめる支所長という役であったため、式を進める側にあてられてしまいました。弟子になってからの期間はそんなに長くはありませんが、私が修行から帰ってきて住職になるまでを見守って下さった時間は宝物です。2人の息子さん達とは同じ位置には立てませんでしたが、自分にしか出来ない役割を全うし、式を無事に円滑に進めることも、師匠の恩に報いることだと考え、全力を尽くしました。

 親子の関係もそうですが、師匠から受けた恩を返しきることなど出来ません。親や師匠も返してもらおうと思っていません。ならばどうするか。返しきれない恩は他へと受け渡していけば良いのです。
 他へ受け渡していく。つまり布施です。布施とはお金だけを指すのではありません。他へ何かしてあげることも布施です。また、布施は見返りを求めてするものではありません。中国の梁の武帝は、厚く仏教に帰依していた皇帝でした。その武帝が、禅宗を開いた達磨大師を宮中に招き尋ねました。「私は多くの寺院を建て、経を写し、僧をたくさん作ってきました。この私にはどんな功徳がありますか?」すると達磨大師はただ「無功徳」とだけ言いました。寺院を建てるなら寺院を建てることが目的であって、見返りを求めることが目的になってしまっては、寺院を建てることが『目的』の為の『手段』になってしまいます。せっかくの尊い行いを手段という踏み台としてしまっては、もったいないです。見返りを求めない行いこそが、菩薩の行いなのです。
 私達の人生も、目的だったものがいつの間にか手段になってしまっていたり、目的を見失ったりしないように生きていきたいものですね。

 地福山宝鏡院住職
林 晴 雄









朝日テレビカルチャースクール三島(第3期)

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校(随時入学可、一回受講)
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
3ヶ月 全6回 ・・・ 14,256円   1回 ・・・ 下記へお問合せ下さい
申   込
TEL:055-971-4041

 

第399回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
7月19日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
願成寺 魚尾 孝久 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
8月23日(金) 同時刻  大泉寺 小島 健布 師

 

宗祇法師の会 (7月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
7月29日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

8月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。7月下旬にハガキにてご案内申しあげます。

「ご自宅での棚経」
8月13,14日 ご予約いただいたお檀家さんに伺います。
「お寺での棚経」
8月13日(火) 11時 16時 いずれか本堂へ。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

 「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
 「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
 「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
 「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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