願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、3月16日です。





願成寺の河津桜


 この3月で大正大学非常勤講師を退任する。大学入学から今日まで、学生時代、職員、講師として実に52年間通ったことになる。健康に恵まれ家族の応援?を得て、完結できたことが喜ばしい。
 大学では日本文学科に所属して、いろいろな内容の講義をしてきたが、「文章の書き方」や「源氏物語」講義が印象に残っている。メルマガを読まれた方に、文章の書き方を教えている人の文章なのかと思われると、いささか不安を感じないわけでもない。美しい文章や内容のある文章を書くことができれば、それはそれですばらしいことであるが、それを目的とした講義ではない。
 「文は人なり」というように、文章を見ればその人の人となりが判るという。すなわち人間的な形成がなされてこそ、充実した文章が書けるということになる。しかし、人格はそう簡単に育成できるものではないので、よって内容のある文章を書くことは、当座の目標とはならない。
 「読みやすい文章」「わかりやすい文章」を書くことを目指しているのである。

 まず文の長さ(書きはじめから「。」までの文の長さ、文字数)が、適当であるかを検討するのである。学生に文章を書かせると、ひとつの文が、長い文では200〜300字に及ぶ。「文」は、「主語」と「述語」に形容や修飾の語が加わって成り立っているのであるから、長文になってしまうと、その関係が不明瞭となり、わかりにくい文章となってしまうのである。
 逆に短いと、今度は「文」と「文」との繋がりがわからなくなってしまうのである。
 一般的には文章の性質(案内文、説明文、感想文、論文等)によって変わるものであるが、平均30〜50字で一文が書かれているのが良いという。無論文章は長い文と短い文で形成されているのであるが、大方の書き手は、文の長さを気にすることなく書いているところに問題がある。書き手に「長い文になってしまうが、必要である」「短い文が続くが、ここでは必要である」との自覚のもとで、文の長短を決めての執筆をもとめるのでる。無自覚な文の長短は、わかりにくい読みにくい文章を作成してしまうこととなる。

 同様に読点「、」も何となく付けるのではなく、はっきりとした「必要なところに付す」という自覚のもと付けることを教える。
 また「漢字表現」と「ひらがな表現」、すなわち漢字で書くか、ひらがなで書くかという事である。たとえば「御挨拶申し上げます」→「ご挨拶を申しあげます」、「行うことが出来る」→「おこなうことができる」と、誤りではないが、現在では必要な漢字以外はなるべくひらがな表記がよいのである。

 とくに注意してほしいのが、言葉には「語感」があることである。ある人の挨拶に「今、話題のコロナウイルス」、「被災地で自衛隊が暖かい食べ物を振る舞った」との発言があった。
「話題」を辞書で調べると、「話の題目。談話・文章などの中心的な材料。話の種。」とあり、用例としては「―が尽きない」「―にのぼる」(デジテル大辞泉)と、話題となることは比較的明るい、楽しい、珍しい内容であり、不快や危険なことには用いられていない。辞書的解釈では、その言葉の語感はわからないが、用例を見ると判るのである。
 また「振る舞う」には、ご馳走をするという意味があるので、被災地の言葉としては不適格であろう。

 このように書くと、そのような些末(さまつ)的ことを講義しているのかと、お叱りを受けるかも知れない。確かに「おもしろい授業」でもなければ、「楽しい授業」でもない。しかし一般社会では、話をするにも文章を書くにも、十分に吟味した言葉の選択や必要性の自覚を持っていただく講義と考えた次第である。

 「あまりおもしろくない授業だった」と受け取る学生と、「自分には気のつかないことが、たくさんあるんだ」と考える学生の開きは大きい。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久









朝日テレビカルチャースクール三島(第3期)

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校(随時入学可、一回受講)
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
3ヶ月 全6回 ・・・ 14,256円   1回 ・・・ 下記へお問合せ下さい
申   込
TEL:055-971-4041

 

第407回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
3月13日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
傳心寺 井上 正信 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
4月17日(金) 同時刻  真楽寺 勧山 法紹 師

 

宗祇法師の会 (3月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
3月16日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

3月20日に予定しておりました

観音堂大祭

新型コロナウィルス感染防止のため中止とさせていただきます。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
 したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

 「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
 「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
 「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
 「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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