東海地方も、ようやく本日にも梅雨明けであろうか?じつに毎日雨ばかりで、日照時間は、例年の3割程度という。野菜たちにとっては、日照時間が短いばかりではなく、長雨は病気を発症させ、特に過酷な梅雨であった。
本日のメルマガのために、収穫されたカボチャである。ご本人に自己紹介をしていただく。タキイ種苗交配の「ほっこり133」という名のほっこり系の西洋カボチャで、いわゆるマーケットで売られている、標準的な種類となります。
4月中旬に種を蒔かれ、5月初めに畑に植えていただきました。たくさんでる蔓を2本に整理して、お行儀良くまっすぐ南に伸びていきます。葉が20枚目のころ、花合わせ(人工受粉)をしていただき、実を大きくしていきます。葉30枚ほどで蔓を止めて(摘芯)もらい、30枚の葉が光合成で一生懸命作ってくれるでん粉を、一手に頂戴して大きくなります。そして、花合わせから45日後に収穫となるわけです。
ひとつの蔓に2〜3個人工授粉され結実するのですが、一番元気なわたしが選ばれ、仲間は摘果されていきます。そのとき、摘果された兄弟のためにも、立派なカボチャになるんだと、決心して精進が始まります。
同時に、お尻の下に発泡スチロールの座布団(フルーツシート)を敷いてくれます。団子虫くんたちが、ぼくのお尻を突っつくからです。まだ触っただけでも傷がついてしまうほど軟らかいので、ちょっとした傷が成長とともに大きな傷跡となってしまうのです。
今ひとつ、白いマットに当たった太陽の光が反射して、お尻を照らしてくれます。よってお尻も真っ黒な、表裏のないカボチャになることができるのです。お尻が真っ黒であることは、愛情豊かに大切に育てられた証しなのです。
でもまだ完成ではありません。収穫後、キュアリングといって、涼しいところで風あたり、2週間ほど成熟させるのです。ご主人さまの食卓で、毎日愛でてくださるので、黒光りしてきました。あと1週間もすれば、美味しいこと疑いなしの、完熟カボチャとなるわけです。
ひとつだけ心残りなことがあります。私の体重は2.5kgですが、あと100g欲しかったのです。
カボチャの市場への出荷は、規定の箱に10kg詰めが基準だそうです。2kgであれば5個詰め、2.5kgでは4個詰めとなります。基準重量10kg割れを防ぐため、それぞれ100〜200gの増量が望ましいのです。
無論、わたしは出荷されることはなく、メルマガで皆さまにお会いするのが目的ですから、心配はないのですが。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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