平成27年9月に、台風18号による関東東北豪雨で、鬼怒川が決壊氾濫した。自衛隊をはじめ消防、警察、自治体のヘリコプターが、孤立した住民を救助している画像が放映され、記憶に残っている人も多いであろう。濁流のなかでの救助は自衛隊であろうか、果敢に挑む隊員の姿は、今も記憶に留まっている。
そのヘリの左右に爆弾のようなタンクをつけている。それを見て、「自衛隊機は救助でも爆弾を搭載しているのか」という人がいる。自衛隊の航空ショーでも、「戦闘機が爆弾をつけている」といい、抗議するする輩が多くいるのである。
それは決して爆弾ではなく、「増槽(ぞうそう)」といって、補助燃料タンクである。「増槽」の写真はネット上ではいくらでもあるが、著作権のため記載できない。そうだ息子の部屋に、プラモデル航空自衛隊 Mitsubishi F-4EJ(77-8400)があることに気が付き、掲載させていただいた。左右の翼の下に顔を出しているのが、「増槽」であり(写真1)、裏返すと、増槽の内側に装備されているのが、いわゆるミサイルである(写真2)。
「増槽」をつけることによって、長距離の移動や長時間の作業が可能となる。鬼怒川の救助にあった自衛隊のヘリは、陸自の多用途ヘリコプターUH-60JAであったと思う。「増槽」を装着していればこそ、長時間の救助ができたのである。
「増槽」を爆弾と思った人は、なんの根拠もなく、単なる「思い込み」「思い違い」をしただけなのである。
ところで先日、酒屋さんにいくと店員さんが、「おんな泣かせ」が入荷したという。そして「女性も泣くほどおいしいお酒ですよね」という。目が点になった。
このお酒は、静岡県島田市の「大村屋酒造場」の静岡の銘酒であり、いつものスーパーマーケットにも置かれているので、ときには購入するのであるが多少の躊躇がある。店員さんに「酒好きで、女房を泣かせているのではないか」と思われるのではなかろうと、でもときには購入していたからである。
これも、わたしが何の根拠もなく、勝手に思い込んでいただけのことである。説明書きがあるが、読んでいなかっただけに始末が悪い。「増槽」とまったく同じである。
そうだ「女房にも飲ませよう、あ!女房は下戸(げこ)だった。」しかたがないひとりで楽しんだ次第である。
【「おんな泣かせ」】
「おんな泣かせ」は、日本酒が苦手な方や普段あまり口にされない方々にもおいしく飲んでいただきたいという想いから昭和55年(1980)に誕生しました。このお酒は、しっかりと米を磨き、ていねいに醸した上品なイメージを持ったお酒です。名称は地元の異業種交流会「若竹会」のメンバーにより名付けられ、そこには女性もそのおいしさに泣けてしまうようなお酒であってほしいとの想いが込められています。以来今日では当蔵を代表する酒として、地元はもちろん全国の皆様にまで愛飲されております。寒冷の季節に搾り上げた「おんな泣かせ」は、瓶の中で半年間ゆっくりと低温貯蔵し、味わいがふくらんだ秋に出荷するお酒です。品格ある香りとふくよかな味わいの純米大吟醸「おんな泣かせ」を心ゆくまでお楽しみください。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
|