新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今年のお正月は天候にも恵まれ、そんなに寒くものなく風もなくて、穏やかな三が日でした。初詣は自房の本堂でおこない、外出することもありませんでした。2日3日はテレビの前に陣取り、「第99回東京箱根間往復大学駅伝競走」を堪能させていただきました。日本テレビ系で平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、2日の往路が27.5%、3日の復路29.6%だったそうです。2022年の紅白歌合戦の視聴率が、第2部(午後9時)の平均関東地区で35.3%でしたので、その人気が知らされます。
それぞれの学生の思い、大学の名誉をかけて、ひた走る選手の姿は感動を呼びます。マラソンはは個人競技で、その選手の力が結果を大きく左右しますが、駅伝は団体競技です。1人2人の力では勝つことができません。さらに野球などは、試合の途中で調子の悪い選手や怪我をした選手の入れ替えができますが、駅伝は、走り始めて次の選手に襷(たすき)をわたすことはできなければ、失格となってしまうのです。
過去には、意識がもうろうとして、ふらつき転倒してしまう選手でしたが、走ることを止めません。すると、追走する車から監督が降りてきて、選手に手を触れ走行の中止を指示しました。これで途中棄権となるわけです。だれもが最善の準備で、健康管理で望んでいるのですが、事故はつきものなのです。そのチームの無念さ、そして何よりも走れなかった選手の思いは計り知れないものがあったであろう。見ていて選手たちに思いをはせると、涙が出てきてしまいます。
ところで第1回箱根駅伝のタイム(1920年HPによる)は、15時間5分16秒でした。今回優勝した駒澤大学は、10時間47分11秒でしたので、4時間28分も早くなっています。距離は変わりませんが、道路状況を始め環境がいちじるしく変わっているので、一概にはいえませんが驚きであります。
そして、テレビの生中継放送は1987年からはじまりました。ある大学の先生が言うのには、箱根駅伝での活躍が、その大学の受験者数に大きく影響してくる大学もあると言うのである。
先頭争いをしているチームは、その放映時間の7〜8割を占めているであろう。放映時間は12時間であるから、仮に10時間とすると、それをコマーシャルとして依頼したならばどのくらいの費用となるであろう。コマーシャルは15秒単位で計算され、局や地域や時間帯によって異なるが、ざっくり75〜100万円という。10〜20億円にもなるだろうか。
箱根駅伝に参加するチームを維持していく費用は公開されていないが、人件費や宿舎等、相当の費用がかかるであろうが、あまるものがあるようにも思える。
すこし品(ひん)がない話であったが、箱根駅伝経済雑談となる。言うまでもないことであるが、選手たちはそのようなことは微塵も考えず、記録への挑戦のみであることは、附しておかねばならない。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
|