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次回配信日は、2月1日です。





しめ飾り



 この1月より、メールマガジンを書かせていただくことになりました、熱海市下多賀にあります海福寺の副住職、滝沢行彦と申します。よろしくお願いいたします。

 さて、皆さんの地域には、新年を迎えるにあたり、どのような「しきたり」が伝承されているでしょうか?私の地域では、「一夜飾りはいけない」ということで、年末の28日頃から新年の飾りつけをはじめます。その理由は、28日は末広(八は下に広がっている)であるからとのことです。「良い年を迎えられるように」という願いから、「縁起をかつぐ」という日本の習わしが古くから伝わっています。
 例えば、貴重なお米を突いて、神様の象徴である鏡のように作ったのが鏡餅であります。鏡餅を床の間に飾って橙を乗せるのは、「代々その家が栄えるように」という願いが込められています。また「松竹梅は枯れないから縁起が良い」ということで、門松を門前に安置します。神様が来るので目印にもなると聞いたこともあります。そして「神様が降りた神聖な場所、魔除け」として、しめ飾りを玄関に飾ります。

 我が家のしめ飾りは、毎年近所の80代の男性のお檀家さんが、作って奉納してくださいます。お店で販売しているものよりも一回り大きなもので、とても立派です。
 以前からどのように作っているのか興味がありましたので、年末に懇願をしてそのお檀家さんのご自宅へ伺わせていただきました。その時「はっ」と気づかされたことがありました。それは「日本の習わしの中に人が失ってはならない智慧がある」ということでありました。
 そのお檀家さんのご自宅へ入らせていただきますと、居間で藁を広げ、下にブルーシートを引きながら、足で藁を固定し、両手で藁を三つ編みにしていく作業をされていました。興味深く拝見させていただいておりますと、「副住職、やってみるかい?」とお声がけをくださいました。
 早速挑戦してみました。手ほどきをいただき藁を握ってみました。ところが「編む「という作業になれていない私は、まったく藁で紐を作ることさえできませんでした。隣でお檀家さんは「にこっ」とほほ笑んで、こんなことを教えてくださいました。
 「自分が子供の頃は、学校に通う時は草鞋だったんだよ。で、裕福な家は下駄だった。自分の家は貧しかったから、母親が草鞋を作ってくれて、それ履いて通学してたんだよ。でもね。貧しくてよかったと思ってるのさ。物がなかったから、その分智慧を使ったんだよ。この藁を編むのも、小さい頃から親の近くで見て一緒にやっていたから、体で覚えてるんだよね。」そのようなことをお話くださいました。
 さらに続けて「前は藁も沢山手に入ったんだけど、最近田んぼをやっていた知り合いの人が亡くなってね。手に入れることができなくなった。残念だね。昔は脱穀が終わった藁を使ってこうやってお飾りや草鞋を作っていたんだよ。だから、収穫が終わった藁を無駄にしないで生かしていたんだよね。だから、ゴミがでなかった。これも昔の物がない時代の智慧だよね。」とおっしゃいました。

 便利さの追求のなかで、失われていく技術や風習があります。ただその失われつつある習わしには、人が培ってきた「縁を生かす。無駄にしない」という精神が込められているのです。
 藁の香りが立ち込める部屋の中で、古の智慧を感じたのでありました。

 海福寺  瀧 沢 行 彦









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月20日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
大泉寺東堂 小島 捷亮 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月17日(金) 同時刻  三明寺住職 大嶽 正泰 師

 

宗祇法師の会 (1月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
1月23日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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