10月29日、願成寺本堂を会場として、「願成寺百人一首古今伝授杯」が開催されました。
わが町三島は「古今伝授のまち三島」と称して、さらに「和歌のまち三島」へと展開をとげようとしています。
そこでまず「古今伝授」とは何か市のHOME PAGE(ホームページ)から引用させていただこう。
「古今伝授(こきんでんじゅ)」とは、簡単にいうと『古今和歌
集(こきんわかしゅう・古今集)』の解釈についての秘伝です。
その『古今和歌集』は、醍醐(だいご)天皇の命により、紀貫之
(きのつらゆき)・紀友則(きのとものり)・凡河内躬恒(おおこ
うちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)ら四人の撰者が、
延喜(えんぎ)5年(905)に編纂した日本で最初の勅撰(ちょくせ
ん・天皇の命により編まれた)和歌集です。以後二十一集の勅
撰集が編まれますが、どの集も古今集を基本としており、歌
道をたしなむ者にとって、必ず知らなければならない重要な
歌集でした。皆さんご存じの『小倉百人一首』においても、
古今集以外の歌集から選ばれている歌は二首から十四首程度
なのに対し、古今集からは二十四首と群を抜いています。
「古今伝授」は古今集の解釈を師から弟子へ秘伝という形で
後世に伝えたものです。古今集の成立後、ほどなく始まった
と推定されますが、形式化されたのが文明3年(1471)三島で
行われた、東常縁(とうのつねより)から連歌師宗祇(そうぎ)へ
の伝授といわれています。
何と、「その伝授がわが寺願成寺で行われた」と考えて良いというのでないですか。これは寺としても地域のために、すこし大袈裟であるが和歌のために、和歌の聖地としての活動の一環として、「小学生百人一首競技かるた大会」の運びとなりました。
今回の大会を指導していただく「三島せせらぎ会」には、競技かるた永世名人西郷直樹氏がおられ、また第68期名人(2022)川瀬将義さんが所属しており、直々のご指導の下での大会となりました。
昨年プレ大会を行いましたが、今年は三島市小学生6000人全員に案内のハガキを配布させていただき、ネットを中心に申し込んでいただきました。40人の定員に45人の応募があり、抽選をせず全員に参加いただき、百人一首を学び、競技を楽しみました。なかには、一枚も取れず涙する子を母親が慰めるなど、悲喜こもごもの光景もありました。今回の古今伝授杯は、初めての子、せせらぎ会で頑張っている子と力の差がありますので、全参加者の抽選で3名の子供さんにカルタを進呈いたしました。
また競技では、全勝した子10人の抽選で3名に西郷永世名人よりカルタが贈られました。
子供さんにそれぞれ保護者の方が参加されており、スタッフを含め100人近い人が集まり、60畳ほどの本堂では、狭く感じられましたが、百人一首を楽しんでいただきました。
「和歌は小学生のときからいろいろな形で親しんでほしい」とおっしゃる宗祇法師の会顧問の藤岡武雄先生が、最後まで和やかに観戦されておられたのが印象的でした。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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