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次回配信日は、10月1日です。





京都宇治橋のたもとにある紫式部の像


宇治橋

   めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
           雲がくれにし 夜半の月かな

 『百人一首』・『新古今和歌集』に載せられた紫式部の歌です。久しぶりに会った幼馴染が、あなたかどうかもわからないうちに帰ってしまった、その慌ただしさを、雲に隠れて一瞬で見えなくなる夜中の月に譬えています。自然の美しい景色と、人の心情を巧みに表現されています。
 そんな紫式部を主人公とした大河ドラマ「光る君へ」もいよいよ折り返し地点を過ぎ『源氏物語』が宮中で読まれる場面が始まりました。

 あれだけの長編(54帖)を書くためには、膨大な「料紙(りょうし)」が必要ですが、なぜ当時大変貴重であった紙を紫式部が個人で入手することができたのでしょうか?大河ドラマ「光る君へ」では「誰か大きな力を持った人が、何らかの狙いをもって紫式部に与えたのではないか?それはおそらく藤原道長だったのでしょう」という仮説を受けて物語が展開しています。
 当時、道長のところには、献上された大量の紙が備蓄されていたそうで『紫式部日記』によれば、式部が彰子の発案で『源氏物語』の清書本を作成したことがあり、道長から紙や筆が与えられたとあります。そのようなことから、時の最高権力者の道長が、娘・彰子の女房である紫式部に紙を与えて後押しをしたことは、かなり自然な流れではなかったのではないかとされています。
 さらに、なぜ道長が紫式部に執筆を命じたのかということについて、大河では「一条天皇の関心を中宮・彰子に向けさせるためではなかったか」と推測しています。道長は、娘の彰子を一条天皇の中宮とすることができました。しかし、一条天皇は、幼い彰子と打ち解けていませんでした。道長は、彰子に面白い読み物を与えれば、文芸に造詣ある一条天皇がそれを読むために、彰子のもとへ通ってくるのではと考えたのではないか…ということです。
 いずれにしても『源氏物語』を縁に、一条天皇は彰子の元へ通うようになったといいます。

 藤原道長が詠んだ歌に、

   この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の
          欠けたることも なしと思へば

 「この世で自分の思うようにならないものはない。満月に欠けるもののないように、すべてが満足にそろっている」と、栄華を極めた道長でしたが、実は若い頃から病気がちで、30代後半からたびたび大病を患い、40代を過ぎると、意識を失うなどの深刻な病状がみられ、死を意識するようになったといいます。
 このためか、仏教への信仰が篤く、吉野金峯山に自ら登り経典を納めたり、自宅や寺院で頻繁に法会を行っていたといいます。藤原家の繁栄の為に頼りとしたのは、紫式部でしたが、財産や地位名誉ではどうにもならない生死輪廻の解決は、仏さまを頼りとした道長でありました。法然上人の御遺跡、久美浜本願寺の御詠歌に

   弥陀頼む 人は雨夜の月なれや
         雲はれねども 西へこそゆけ

とあります。「阿弥陀さまを頼む人は、例えて言えば雨降る夜の月のようです。雨雲とは煩悩のことです。月が雲に隠れていても西へいくように念仏の行者は、煩悩を抱いたままで西方極楽浄土へ往生するのです」という意味です。法然上人が「煩悩のままにも阿弥陀さまを深く信じ頼んで、西へ向かうのですよ」とお勧めくださっています。
 どうぞ皆さまも秋のお彼岸には、亡き人のご供養とともに、わが身の命の行く末を定め、「阿弥陀さまを頼む人」になって頂けたらと存じます。

 海福寺  瀧 沢 行 彦 









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
9月20日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
金剛寺 住職 水田 真道 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
10月18日(金) 同時刻  霊山寺 副住職 山田 高之 師

 

宗祇法師の会 (9月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
9月30日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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