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次回配信日は、10月15日です。





ハワイホノルルの鐘


ボストン美術館


天心らが収集した、東洋コレクション

 ボストンというと、なにを思い浮かべるだろうか。

 野球が好きな人は、ボストンレッドソックスだろうか。現在だと吉田正尚、古くは松坂大輔、岡島秀樹などがいた、名門チームである。
 歴史的には、1773年のボストン茶会事件は、アメリカ独立戦争へ転機となった場所でもある。また2013年には、ボストンマラソンでのテロもあった。マラソンのゴール地点での圧力鍋を使った爆弾テロは、911以降のアメリカ社会に大きな衝撃を与えたものであった。
 しかし、私にとっては、ボストンというとある種の憧れもある所である。マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学と超名門大学があり、アメリカ有数の大学都市であり、文理系学問、文化の中心なのだ。

 さて今回、ボストンでの海外調査の機会を貰い、「鐘」について調査をおこなってきた。どうして「鐘」をボストンで調べるのかと、お思いだろう。そもそも「鐘」といっても色々なものがあるが、今回見てきたのは、大体どの仏教寺院にもある、僧侶が使うすり鉢状の大鐘(だいきん)と呼ばれるものである。願成寺では、ピアノの近くにあるゴーンと鳴る鐘と言えば、わかるかもしれない。

 ところでボストンの話に行く前に、ハワイ・ホノルルの話をしなければならない。2016年にホノルルの寺院において、とある「鐘」を見つけたことが、この調査のはじまりであった。写真を見てもらいたい。「鐘」の作られた年号が彫られており、「永久ニ年甲午正月」とある。永久2年とは、1114年、後鳥羽天皇の時代である。こんなに古い「鐘」がなぜハワイにあるのか、そもそもそれほど古い「鐘」は他にもあるのか。
 そんなハワイでの謎を解くために、ボストンに行くこととなったのである。

 ではなぜボストンなのか。ボストン美術館は、日本の色々なものが明治期に収集されているからである。岡倉天心やフェロノサ、大森貝塚を見つけたモースなどが、様々なものを収集し、コレクションとして所蔵されている。
 その収蔵品の中に、日本の仏教寺院の「鐘」があり、同様のものがあるのではないか、ということで調査をおこなった。こちらの結果については、今後論文などで発表することもあるので、結果のみを書くが、ハワイの「鐘」の方が古く、なんでそんな重要なものが現在もホノルルの寺院で使われているのか、謎のままである。

 想像するに、ハワイに日本人が移民として渡る際、僧侶もハワイへと渡り、その際に新たな寺を作るために、集められた仏具がたまたま古かった、という可能性がある。江戸時代に作られた「鐘」は現在、日本では重要文化財級となっており、音を出すのも憚られる。
 ただ、私自身は僧侶と共に研究者でもある。想像したことが果たして正しいのか、それとも違う歴史があるのか、客観的な「証拠」を探して明らかにしなければならない。

 今回の調査の成果は、ボストンまで行っても謎が解けないことが判った、ということであり、むしろ、またホノルルになんでそんな古い「鐘」がつかわれているのか、由来を日米の両方で探す、という方針が決まったのである。
 成果とは、「証拠」が見つかる成果が一番だが、研究していった結果、意味がなかったと判れば、それも成果なのである。

 しかし、ボストン美術館を見ることができ、さらに収蔵品や岡倉天心が日本や東洋の文化を明治期に、西洋に紹介する為に集めたコレクションに触れられたことは、得難い経験であったのは確かであった。
 また次も、ハワイで、海に入らず、買い物もせず、ただひたすらに図書館と寺の収蔵庫を見ることが、私に与えられたミッションとなったのも確かだ。
 研究とは、そういう泥臭いものの積み重ねなのであり、今後も研鑽を積んでいきたい。

 願成寺副住職  魚 尾 和 瑛 









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
10月18日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
霊山寺 副住職 山田 高之 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
11月15日(金) 同時刻  光厳寺 住職 五味 寛融 師

 

宗祇法師の会 (10月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
10月21日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

小学生百人一首競技かるた大会 願成寺古今伝授杯

 「三島せせらぎ会」 西郷直樹永世名人ほか指導のもと、「願成寺古今伝授杯」争奪戦がおこなわれます。初心者大歓迎です。また、賞品等全員に参加賞あります。

日   時
10月27日(日) PM12:30〜
会   場
願成寺本堂 TEL:055-975-1763
募集人数
小学生32名
〆   切
10月15日(火)
申込方法
主   催
願成寺百人一首古今伝授杯実行委員会








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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